河内屋社長ブログ蒲鉾丹右衛門の徒然なるままに…

2026.05.08

棒Sの履歴書 #3〜北陸新幹線が景色を変えた!しかし新たな事件が現場で待っていた。

  • twitter
  • LINEで送る

棒S(ボウズ)をこの世に送り出したことに関しては達成感は確かにありました。

しかしそんな余韻に浸る余裕など、まるでなかったのです。

直営店やお得意先の販売スタッフからの苦言が続出していました。

前回書いた通り「全部同じに見える」「文字が読めない」という声です。

冷静に考えてみると、棒Sは横から見ると商品ごとの特徴やデザインの個性がはっきり分かる。しかし上から見るとどれも同じに見えてしまうのです。

言われてみれば確かにそうだ。

こんなことに気付かなかった。

これはデザイン的な対策が必要だと判断しました。

すぐにキギさんに相談すると、実情を理解してくれて素早く動いてくれました。いくつかの案を出してくれて最終的に2案に絞られ、決まったのは四角で色のアクセントを付けるという案でした。

何気ない追加デザインのように見えますが、これがキギさんの計算された見事なアイデアでした。

新しい印刷が出来上がると、すぐにお詫びも兼ねてお得意先を一軒一軒回って説明しました。

あれほどの苦情の嵐が、見事に収まりました。


そして2015年3月14日、土曜日。

ついに北陸新幹線が開業したのです。

私が魚津に来た33年前、魚津駅には「北陸新幹線、早期開通を!」みたいな政治的な大きな立て看板があったのを覚えています。

歴史的にも政治的にも紆余曲折して金沢まで開通した北陸新幹線、感慨深かった。

その歴史的な日に棒Sの販売を間に合わせるというのが、私の中では大きな目標でありタイムリミットでもあったので、何とか完成形?でこの日を迎えることが出来たのは良かったと思います。

2014年10月の発売から半年間、棒Sは徐々に売れてはいたものの、様々な問題も重なり正直大きな飛躍とは言えない状況が続いていました。

しかし北陸新幹線の開業で、潮目が変わりました。

北陸新幹線に乗って新たな客層のお客様が来るようになったのです。

そう、棒Sを取り巻く景色が一気に変わったのです。

金沢駅、富山駅では手に取ってくれる方が多く、手ごたえを感じましたし、数字にも表れていました。

「東京の人は買ってくれない」なんて言われたこともありましたが、そんなことはなかった。

あの有楽町、交通会館での言葉が嘘のようでした。


北陸新幹線開業のこの年、2015年は最終的に棒Sを工場から約16万個出荷しました。

少し振り返ると、2013年4月に「旅サラダ」で紹介される前は年間で10万個を超えることが出来なかった商品。

旅サラダで13万個に増え、棒Sにリニューアルして約16万個まで伸びました。数字で見ると改めてその成長を感じますね。

その後も北陸新幹線絡みの観光雑誌や各方面から注目され、新規のお取引先も増えていきました。

棒Sの投入は大成功…そう思えた矢先、また新たな問題が出て来たのです。

やはり事件は現場で起きているのでした。

本当に次から次と色々と想定外のことが出てきます。

次回「棒Sの履歴書 #4」では、その新たな問題について書こうと思います。

下の写真は、採用しなかったもう一つの案です。世の中に出なかったのでこの場を借りて紹介しときます。