河内屋社長ブログ蒲鉾丹右衛門の徒然なるままに…

2026.05.09

棒Sの履歴書 #4〜北陸新幹線の恩恵と、冷蔵ケースで起きた想定外の事件。

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北陸新幹線開業後、棒S(ボウズ)の風向きは確かに変わっていました。

その恩恵を最も受けていたのは、紛れもなく金沢駅を中心とした金沢観光、金沢土産でした。

北陸観光の中心としての確固たる地位を持ち、商業施設も含めた駅全体がほぼ完成形に近い状態で新幹線開業を迎えた金沢駅。

あのドーンと構える「鼓門」と雨が降っても濡れることのない「もてなしドーム」の迫力は皆さんご存じの通りかと思います。

金沢駅は北陸新幹線、特急サンダーバード、特急しらさぎのターミナル駅として存在感がアップし、当然と言えば当然なのですが、全国的にも「北陸=まず金沢」というイメージが定着していきました。


棒Sの動きも完全にそれに比例していました。

金沢駅を中心に、金沢観光のお土産として棒Sが活躍してくれるようになって本当に嬉しかった!

一方で富山駅はというと…様々な事情が重なって、新幹線が開業したにもかかわらず長らく工事中の状態が続いていました。こればかりは仕方がなかったとは思いますが、比較されると正直悔しい気持ちもありました。

そんな状況の中でも富山駅、富山観光が増えて行く中で棒Sの出荷量は確実に増えていきました。

数字がそれを物語っていました。

しかし順調に見えた矢先、また事件が現場で起きていたのです。

夏のことでした。

直営店やお取引先の冷蔵ケースに陳列している棒Sの容器が、白く曇ってしまうのです。

冷蔵ケースで冷やされた容器と、蒸し暑い外気との温度差による結露。それが原因でした。

過去のスティック蒲鉾ではそんな経験も事例も全くなかったので、正直かなり焦りました。容器が曇れば中身が見えない。何よりも、冷蔵ケースに並んだ商品がまるで欠陥品のように見えてしまう。棒Sの最大の魅力である透明な容器越しに見える鮮やかな断面…それが完全に失われてしまっていたのです。

原因を突き詰めると、棒Sの容器の密閉度が高かったことが影響していました。デザインを突き詰めた結果が、また別の形で現場を直撃していたのです。

色々と考えた末に出した答えは、容器に空気が通るように小さな穴をあけることでした。

容器のどこにどんな大きさの穴をあけたら問題が解決するのか?何度も何度も実験をしました。

見た目には若干の違和感がありましたが、穴を設けることで曇りの問題は解決できることが分かったので、思い切って全ての容器を穴あけ仕様に切り替えました。

問題は何とかクリアできました。

やれやれ、と一息ついた矢先…もっと大きな難題が襲って来たのです。

今度は「スティック蒲鉾が開封しにくい、食べにくい」という声がお客様から聞こえてくるようになったのです。

実は以前からそういう声がゼロだったわけではありません。

ただ、当時の河内屋には食品業界では広く使われているピロー包装機しかありませんでした。

この包装機でスティック蒲鉾を真空包装している以上、根本的な解決方法はありません。

フィルムの材質変更に取り組み、簡単に開けることが出来る仕様に変更もしましたが、なかなかお客様には伝わりませんでした。

しかし棒Sの人気とともに出荷量が増えていくにつれ、その声も比例して大きくなって来たのです。

「これはもう、根本的に向き合うしかない。」と覚悟しました。

次回「棒Sの履歴書 #5」では、この「開封しにくい問題」にどう立ち向かったかを書こうと思います。