河内屋社長ブログ蒲鉾丹右衛門の徒然なるままに…

2026.09.05

アラスカ、ダッチハーバー番外編④〜ホテル立山の赤い屋根で、ベーリング海の宿を思い出した話。

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「ホテル立山が、その営業を終えた」…そんなニュースがネットでも流れました。立山黒部アルペンルートの最高地点、標高2,450mの室堂に建つ、日本最高所のホテル。正確には建物が消えるわけではなく、宿泊の営業を終えたということで、レストランや売店はこれからも残るそうです。それでも、あの特徴的な赤い屋根が宿としての長い役目を終えたと聞くと、富山県民にとっては少し寂しい話ですね。

そのニュースを見た瞬間、私の頭には、なぜかあの遠かった一軒のホテルが頭に浮かびました。先日の視察でお世話になった、アラスカ・ダッチハーバーの「グランド・アリューシャン・ホテル(Grand Aleutian Hotel)」です。

かたや標高2,450m、かたや海抜ほぼ0m。高さはまるで正反対なのに、なぜか雰囲気がよく似ています。木の1本も生えない荒々しい大地に、赤い屋根が一軒だけぽつんと立っているあの感じ。澄みきった空気のスッキリした感覚も、どこか重なります。全く違う場所、違う環境は分かってますが、何となく2つの宿が私の中で繋がってしまいました。まだ頭の中がダッチハーバーなのか?笑。

せっかくなので、この番外編で、そのグランド・アリューシャン・ホテルと、周りの様子を記録しておきます。

ダッチハーバーに、ホテルは数えるほどしかありません。その中でいちばん大きいのが、このグランド・アリューシャン・ホテルです。運営しているのは、今回の視察先でもある、お世話になったユニシー社です。ベーリング海の最果てにありながら、世界中から船と人と魚が集まってくる港町の、まさに拠点となるホテルです。「最果てなのに、世界と繋がっているホテル」…そう呼びたくなります。

ダッチハーバーを訪れる人は、決して多くはありません。富山県民であの地へ行った人はおそらく5人以下くらい?それでも、仕事で、あるいは旅で、この地にやって来る人はいます。そういう人にとって、このホテルはとても大切なよりどころになります。(特に冬季は)

正直に言うと、今回はあまりにハードな日程で、ホテルの滞在そのものをゆっくり楽しむ時間は、ほとんどありませんでした。それでも、部屋にいる時間はとても居心地が良かったです。館内のレストランで朝食を2回、バーには外がまだ明るい夜中に1度だけ立ち寄りました。蛇口の水を飲んでも全く問題なく、それどころか美味しかったのが、地味に嬉しい発見でした。

ホテルの周りも、便利でした。すぐ真横には「スリー・ベアーズ・エース・ハードウェア(Three Bears Ace Hardware)」という、ホームセンターのような何でも揃うお店があります。金物から日用品、食料品、お土産まで、ひと通りここで手に入ります。少し行けば大きなスーパー「セーフウェイ(Safeway)」もあって、最果ての港町とは思えないほど不自由がない…はずです。

目の前を走るエアポート・ビーチ・ロードの向こうには、ウナラスカ湾がきれいに広がっていて、早朝なのか、朝なのか、それとも夜だったか…白夜のせいで、今となっては分からない時間帯に、周りを少し散歩することもできました。とにかく景色が素晴らしくて、本当に気持ちが良かったです。

道のあちこちには、カニ籠が山のように積み上げられています。これはディスカバリーチャンネルで見た、あの『ベーリング海の一攫千金』の世界そのものじゃないか、と一人で勝手に想像していました。

ホテルの向かいには、「ノルウェイジャン・ラット・サルーン(Norwegian Rat Saloon)」というバーもありました。残念ながら中に入る時間はありませんでしたが、その駐車場に、店のシンボルらしき印象的なオブジェが置かれていて、なぜか妙に記憶に残っています。そして何より、海岸線が本当に美しかったです!

このホテルに、もう一度泊まれる機会があるかというと、正直、その可能性は限りなくゼロに近いです。それでも、最果ての地で、世界と繋がるこのホテルに2泊を過ごせたことは、私にとって本当に良い思い出になりました。

ホテル立山の赤い屋根のニュースを見て思い出した、ベーリング海の最果てのホテル。あの海で獲れたスケソウダラが、巡り巡って、いつもの棒Sに変身しています。そう考えると、ダッチハーバーは、決して遠い他人事の場所ではありません。今日も棒Sをチェックしながら、あの最果ての港町を思い出してます笑。

Safewayで見つけたカニカマ。原料はWild Alaska Pollock=スケソウダラ。私たちが視察で見に来たスケソウダラ。蒲鉾に使うあのすり身が、ここアメリカでは「Simply Surimi」というカニカマになって棚に並んでいました。

裏面には「何世紀も続く日本の製法」の一文まで。

原料の地元だけあって、ここダッチハーバーでも当たり前のように売られています。

340gで$5.99、日本円でおよそ930円。高いのか安いのか現地では見当がつかず…調べたら、本土アメリカでもほぼ同じ$5.99。しかもアラスカは州の売上税が無く(ウナラスカ市でも3%と低め)、本土の州税より安いので最果てなのに本土より安い?…これには驚きました。

同じくSafewayにて。なんと店内に、立派な釣具コーナーがありました!

竿にリール、仕掛けからラインまでひと通り勢揃い。それにしても竿もリーダーもごつくて、何を狙うのかと思えば、この海の主役はオヒョウや大型の根魚。数十kg級が相手なら、これくらい頑丈でないと勝負にならないのでしょう。ルアーを投げる釣りがメインのようです。世界一の漁港の町だけあって、釣りは遊びである前に暮らしの道具なのかもしれません。

釣り好きとしてはつい見入ってしまいました(笑)。