河内屋社長ブログ蒲鉾丹右衛門の徒然なるままに…

2026.09.06

アラスカ、ダッチハーバー番外編⑤〜日本産の蒲鉾とタイ産の竹輪。アンカレッジの練り物売り場の話。

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先日の番外編①で、アラスカ・アンカレッジで足止めを食らった話を書きました。飛行機が思うように飛ばず、ぽっかりと時間が空いてしまった、あの一件です。

せっかく空いた時間、私たちはアンカレッジの街を散策し、その際、スーパーも何件か回ってみました。目的はもちろん練り物コーナーです。

練り物コーナーが充実してたのは、「New Sagaya’s Midtown Market(ニュー・サガヤ・ミッドタウン・マーケット)」。1973年創業の、アンカレッジでは名の知れた老舗です。アジア食材の品揃えはこの街いちばん、シーフードカウンターも立派な、高級グルメマーケットといった風情のお店でした。

冷凍ケースを覗くと…ありました。日本の「紀文」さんの蒲鉾です。紅白の板かまぼこ、しっかり「日本産(Product of Japan)」の表示。150gで$6.79。いまの為替(1ドル=156円)で、およそ1,060円です。少し前まで160円台でしたから、円高に振れたぶん、円で見ると少しだけ安く感じます。とはいえ、日本のスーパーなら300〜500円ほどで買える品。倍以上のお値段は、やはり日本産をこのアラスカまで運ぶ輸送費など経費やアラスカの人件費などのコストが入っているのでしょう。

その隣には、「J-BASKET」の竹輪。こちらは「タイ産(Product of Thailand)」で、原料はイトヨリ。160gで$3.39、およそ530円でした。これがなかなかの衝撃で…。日本なら、同じくらいの5本入り竹輪が、スーパーで税込100円台。それがここでは3倍から5倍のお値段です。日本産で立派な蒲鉾が高いのはまだ分かりますが、タイ産のいわば普及品の竹輪でさえ、この価格。米国の物価高、為替などの重みをしみじみ感じます。

…この棚、実はなかなか象徴的です。日本産・紀文の蒲鉾と、タイ産・イトヨリの竹輪が、同じケースに仲良く並んでいる。これはまさに、私たちが日々向き合っている原料の世界そのもの。アラスカのスケソウダラ、東南アジアのすり身、世界中の海の恵みが、練り物に姿を変えて、地球のあちこちの棚に並んでいるのです。(ちなみに、隅にはハローキティの蒲鉾までありました笑)

ただ、正直なことを言いますと。日本産の立派な蒲鉾が、カチカチに凍って、ケースの中に積まれている。「これ、どれくらい売れているんだろう…?」と、つい職業病が顔を出しました。もっとも、それがどうかは、見ただけでは分かりませんでしたね。

もうひとつ、面白い発見が。「Sagaya」という名前からして、てっきり日系のスーパーだと思っていました。日本産の蒲鉾も置いてある。ところが店内を見回すと、お客さんはほとんどが欧米系の方々。日本の練り物を手に取っているのは、私のような日本人ではなく、現地の人たちなのかもしれない…あるいは現地の日本人か?詳しいことは分かりませんでした。想像だけです。

その光景を見ながら、ふと思ったのです。いつか、この棚に「棒S」が並ぶ日は来るのだろうか?と。ハードルが相当に高いことは、この“カチカチの現実”を見れば痛いほど分かります。それでも、色々と考えてしまう空き時間でした。

さて、良いタイミングなので女将への土産探しも軽くしてみました。アラスカの魚の缶詰なら間違いない。何個か買って帰ろうか…と手に取ったのが、Wildfish Canneryのスモーク紅サケ。プリンス・オブ・ウェールズ島の、家族経営の缶詰屋さんの名品とのこと。何も考えず5個を手に取りました。

しかし値段を見て4個戻しました。小さな1缶で$11.30、およそ1,760円。…はい、1個でいいです(笑)。

さんざん物価高の現実、円安の現実を見てきて、最後は結局、わが家の財布事情に返ってくるのでした。