2026.09.12
博多で全蒲青全国大会!仲間と、明太子と、スケソウダラのご縁。

前回のブログで触れた、福岡での全蒲青の全国大会。今回はその様子を、あらためて紹介します。
「第44回 全国蒲鉾青年協議会 全国大会 in 福岡」。テーマは「伝統を受け継ぎ、未来へつなぐ。」です。会場は福岡市のANAクラウンプラザホテル福岡。全国から約100人の蒲鉾屋と取引業者、関連企業の仲間が集まりました。
福岡での全国大会は、なんと31年ぶりだそうです。前回の福岡開催は1995年の第28回だそうですから、私が蒲鉾業界に入って間もない頃…当時の私にはこんな会があるとも知らない頃ですね(笑)。福岡は、かまぼこ類の生産量が九州でもトップクラス。その地での久しぶりの大会とあって、地元の気合の入り方が違いました。
それにしても、久しぶりの博多。
改めて歩いてみて、本当に良い街だと思いました。空港と博多駅がとにかく近い。食文化も多彩で、何を食べても美味しい。観光地としても魅力たっぷり。これはもう、人が集まるわけです。…まあ、その分、お土産業界の競争は相当に激しそうで、この地で戦うのは相当に大変だろうなあと…これは同じ物販に身を置く者としての本音です笑。

さて、肝心の大会です。
江越雄大実行委員長(博水専務)をはじめ、福岡の蒲鉾屋チームの皆さんが、それはもう素晴らしい大会に仕上げてくれました。お魚感謝祭の神事にはじまり、記念式典、記念講話、そして懇親会と、どの場面も心のこもった運営で、頭が下がります。準備は本当に大変だったはず。ありがとうございました。
そして今回は、全蒲青(現役)の会長交代の年でもありました。
この2年間、先頭に立って全蒲青を引っ張って来た橋沼幸平会長、本当にお疲れさまでした。そして新しく会長に就任された山崎英樹さん(出雲國大社食品社長)。その意気込みを間近で感じ、頼もしい限りでした。
私はといえば、OB会である煉心会の会長という立場で、この4年間、全国大会に参加させていただきました。前回書いた通り、今回でその任期も終わり。現役もOBも、それぞれに襷が受け継がれていく。良い節目の大会となりました。

記念講話も、実に良かったのです。
登壇されたのは、明太子で知られる株式会社ふくやの川原武浩社長。
ふくやさんといえば、創業者の川原俊夫さんが、戦後、釜山から博多へ引き揚げてきて、現地で親しんだ味を日本人好みに改良し、1949年に中洲で「味の明太子」を売り出したのが始まり。私が思わず唸ったのは、ふくやさんがその製法を自社で抱え込まず、周囲の同業者にも惜しみなく伝えたという話。だからこそ博多全体に明太子文化が広がり、やがて博多を代表する名物になった。1975年の山陽新幹線の博多乗り入れも、追い風になったそうです。
自分だけで独占せず、仲間に分け、業界ごと大きくしていく。厳しい時代だからこそ、胸に響く考え方でした。

翌日には、ふくやさんの工場見学と、明太子づくりの体験ツアーにも参加しました。施設も商品も、見て・触れて・学ぶことばかり。大変有意義な体験でした。
明太子の原料は、スケソウダラ。…そう、私たち蒲鉾の原料と、同じ魚!
しかも、つい先日ダッチハーバーまで、そのスケソウダラを見に行ってきたばかり。これはもう、興味深く聞いてしまわないわけがありません(笑)。
恥ずかしながら、スケソウダラを韓国語で「ミョンテ(明太)」と呼ぶことも、その子(卵)だから「明太子」なのだということも、この歳になって初めて知りました。還暦にして、まだまだ知らないことだらけです。
面白いのは、同じスケソウダラを扱いながら、業界によって歩む道が違うこと。

私たち蒲鉾は、地域によって使う魚種が違ったり、時代とともに原料を世界中へ広げて行きました。一方の明太子は、名前がそのまま「明太=スケソウダラ」ですから、他の魚に浮気ができない!スケソウダラ一本で勝負するしかないのです。同じ原料を分け合う隣同士でも、抱える歴史も事情もこんなに違うのかと、大いに勉強になりました。
そして何より良かったのは、逆風の吹く蒲鉾業界にあって、全国の仲間とこうして顔を合わせ、膝を突き合わせて話ができたこと。これが一番の収穫でした。
懇親会はもちろん、ありとあらゆる場面で、近況を語り合い、意見を交わし、情報を交換し、学び合う。こうした時間の積み重ねが、明日へのヒントや力になる。
みんな、それぞれの土地で頑張っている。だから私も頑張れる。
蒲鉾業界は過去にない非常に厳しい秋を迎えますが、お互いに頑張っていきましょう!
福岡の皆さん、全国の仲間の皆さん、ありがとうございました!

博多に到着して時間があったので西門蒲鉾本店さんに立ち寄ってみた。評判通りの素敵な蒲鉾屋さんでした。

西門蒲鉾本店さんは国の重要文化財である聖福寺の西門にあり、その聖福寺の西門を永久に伝えるため「西門蒲鉾」と名付けられたそうです。周辺には、聖福寺以外にもたくさんの寺院が存在していて、博多の観光名所のひとつとしてお寺巡りが人気を集めていました。少ししか散策出来ませんでしたが羨ましい環境でしたね。



