2026.10.16
「日本の食卓から、かまぼこをなくさない。」日本かまぼこ協会が会長宣言を発表しました!
10月15日、一般社団法人日本かまぼこ協会から、阿部賀寿男会長の名前で会長宣言が発表されました。
「日本の食卓から、かまぼこをなくさない。」
すり身原料の歴史的な高騰と供給不足に、業界の総力で立ち向かう。そんな強い決意を込めた宣言です。協会執行部の一人として、そして富山の地方の一蒲鉾屋の経営者として、この宣言をご紹介します。
一体何十苦なんだ!
今回の業界の危機は、正直なところ「ここまで重なるか?」というほどです。少し整理してみます。
まず、今年はベーリング海のスケソウダラの漁獲が少なく、型も揃いません。
しかも現地では、すり身よりもフィレを優先して生産しています。欧米の白身魚へのニーズは衰え知らずで、そちらの方が売れるからです。
さらに遠く南米では、エルニーニョの影響でペルーのカタクチイワシの漁獲が激減。魚粉(ミール)の相場が暴騰しました。
その影響で、東南アジアや中国、インドでは、獲れた魚がすり身ではなくミールに回されています。すり身の「もう一つの産地」まで細ってしまったわけです。
加えて、ホルムズ海峡をめぐる情勢で船の燃料が高騰。人件費、資材費、エネルギーコストも上がり続けています。
河内屋で言えば、冷凍すり身の他にもイカゲソの入手難・高騰などもあります。
そして、とどめの円安!
4重苦、5重苦どころではありません。一体何十苦なんだ!と叫びたくなりますね。
宣言にもある通り、業界ではすでに事業継続に関わる厳しい事例が出ています。私自身、この春から秋にかけて、身近な仲間の会社の廃業や破綻を目の当たりにしてきました。決して他人事ではありません。
仮に「苦」が解決したとしても
ただ、私が本当に怖いと感じているのは、その先です。
仮に為替が落ち着き、燃料費が下がり、ペルーの漁が戻ったとしても、潜在的な危機は変わりません。白身魚もすり身も、今や世界中で取り合いになっています。海の資源には限りがあり、日本だけが好きなだけ買える時代はもう戻ってこないでしょう。この夏、ダッチハーバーを訪れて肌で感じたことでもあります。
宣言の言葉を借りれば、今回の原料問題は「一時的な問題」ではなくなっているのです!
「守る」だけでなく「打開策」を
もちろん、嘆いているだけでは何も変わりません。
協会としては、原料の需給情報の共有、スケソウダラ以外も含めた新たなすり身原料の可能性の検討、新たな調達先の開拓、そして行政・関係機関への支援の要請に取り組んでいきます。
同時に、各蒲鉾屋もそれぞれの立場で打開策を考え、実行していかなければなりません。河内屋も例外ではありません。お客様に変わらず喜んでいただける商品をどう作り続けるか、日々考えています。
宣言の最後には、消費者の皆様へ、今回の問題が単なる価格の問題ではなく、将来にわたる安定供給の問題であることへのご理解のお願いが書かれています。値上げのお願いが続き心苦しいのですが、この背景を少しでも知っていただけたら嬉しいです。
まずは年末商戦へ
とはいえ、蒲鉾屋にとって一番大切なのは、目の前のお客様です。
まずはこれから始まる年末商戦に向けて、しっかり準備をしていきます。来週早々には、全国のお客様のもとに河内屋のお歳暮カタログが届く予定です。
原料事情が厳しい今だからこそ、美味しい蒲鉾を、間違いのない品質でお届けしたい!それが蒲鉾屋としての、私なりの「かまぼこをなくさない」ための一歩です。
日本の食卓から、かまぼこをなくさない。
カタログが届きましたら、ぜひページをめくってみてください。今年も皆様のご注文を、社員一同心よりお待ちしております。
阿部会長の「会長宣言」は下記の通りです。





