河内屋社長ブログ蒲鉾丹右衛門の徒然なるままに…

2011.05.02

食の安全とは

  • twitter
  • LINEで送る

富山県の焼肉屋で食中毒が発生し、最悪な事に子供が亡くなってしまうという事件が発生しました。子どもにとっては楽しいはずの焼肉屋さん、親子での楽しい団欒が一変して悲劇になってしまった事が本当に残念でならない。許しがたいのは、数日前に福井で同じ系列店で食中毒が発生し、同じくお子さんが亡くなっていたという衝撃の事実。発生した県が違う、行政区域が違うとは言え、防げる事故ではなかったのか?犠牲者を最小限に抑える事が出来たのではないか?と思う。焼肉屋の経営姿勢にも問題はある。激安をうたって売上を伸ばして来たチェーン店であることは知っているが、こんな適当でひどい会社だったとは夢にも思わなかった。驚くのは安全安心に対する考え方。普通はより安全な方に考え、行動するのが食品に携わる者。加熱用の肉を生肉で食べても大丈夫であるという根拠は一体何なんだろう?ニュースでは、「アルコール殺菌、生で食べても安全だと思った」 とか言っているようだが、ちょっと信じがたい。今回改めて知ったのは、日本では牛・鶏 ・豚の「生食用」食肉は流通していないという事。つまり日本中全てのユッケは生食用の肉ではなく、加熱調理用の肉を店側の判断で出しているという事になる。生で食べれる安全安心な肉を否定するつもりは全く無いが、店側の判断という事になると、それを判断する目利き、経験、知識というのは相当に格差があると言える。食べる側にもそれなりの覚悟が必要であるという事にもなる。もともと牛をはじめ我々哺乳類には大腸菌は必ずある。それを肉解体工程で菌管理するという事は、それなりの施設、マニュアルのある場所でしか不可能。となると仕入コストはそれなりに高額になるはず。適正価格が分からないが、激安をうたう焼肉店でユッケなど生肉系を食べる行為は、かなり危険であるという事になる。ましてや体力の無い子供や高齢の方が食べるという事は、ふぐの内臓を食べる感覚で、最悪死をも覚悟しないといけないという事になる。本当にそれで良いのか?? 法令上の規則も罰則も無いという。本当にそれで良いのだろうか?もし罰則があれば、今回のような判断を軽々しくしなかったかもしれない。食品業界には意味不明な無駄なルールがたくさんあるくせに、こういう部分は本当に甘いんだな・・・とつくづく思いました。ニュースを見ていて鮮度が良いとか、衛生的だとか単語が出て来るが、これも定義が怪しい。店に今日入荷したもんだから鮮度が良い・・・って本当ですか?と言いたい。鮮度が良いから安心です!って鮮度と衛生面は全く違う話。とにかく今回の事件は、富山県内でこんな店があったという事にショックでした。改めて食品を製造している会社として、しっかり気を引き締め、今回の件を他人事だと思わないようにして、安全安心に取り組みたい。食品会社、外食産業にとって食の安全安心とは当り前の事だが、昔からこうだという慣れが一番怖いのかもしれない・・・。