河内屋社長ブログ蒲鉾丹右衛門の徒然なるままに…

2026.08.24

アラスカ、ダッチハーバー番外編①〜やっぱり番外編も繋がっていた。

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お陰様で、長かった「ダッチハーバー視察の旅」シリーズも、前回の最終回で無事に区切りをつけることができました。意外にも反応をいただいたのですが、あれを全部読んでくださった方は、間違いなくかなりマニアックな方か、業界人ですね(笑)。本当にありがとうございます。

さて、本編は終わりましたが、実は書ききれなかった小ネタが、まだいくつも残っております。というわけで今後は、肩の力を抜いた「番外編」を、思い出したようにたまに?アップしていこうかと思います。

とりあえず第一弾は、なんと言ってもあの、アンカレッジ空港での出来事です。

正直に申し上げて、私にはこの空港に、やたらと長く滞在したような記憶だけが、いまだに残っています。しかも、思いっきり晴れているのです。抜けるような青空の下で、「ここまで来たのに、もしかしたらダッチハーバーには行けないかもしれない…」と、途方に暮れた時間を過ごすことになるとは、思ってもみませんでした。

というのも、アンカレッジからアリューシャン列島へ直行便を出している航空会社は、アリューシャン航空(Aleutian Airways)ただ1社。そのアリューシャン航空が、現地の濃霧で飛ばない。おまけに、直行便は3日先まで満席だと聞かされる。これはもう、具合が悪くなります。晴れているのは、こちらの空だけ。肝心のダッチハーバーは、霧の中なのです。

ここから、ASMIさんのスタッフの皆さんが、本当に奔走してくださいました。チャーター機を手配したと聞いても、なかなか飛行機が決まらない。あれやこれやと、気を揉む時間が続きます。この時のASMIさんのご尽力には、心から感謝しかありません。

待つ間、グラント・アビエーションという会社の待合室で、相当な時間を過ごしました。「こんな小さな飛行機で、あのダッチハーバーまで行くのか…」と、あれこれ想像をめぐらせていました。

待ちぼうけの時間があまりに長かったので、私はすっかり、空港の観察者になっていました。そして、これがなかなか、面白いものが見えてくるのです。

小型機から降りてくる人たちが、こぞって運んでくる謎の白い箱。気になって聞いてみたら、サーモンフィッシングのツアーで釣った魚を、現地で全部処理して箱詰めまでしてくれるサービスなのだとか。竿もすべてレンタル。いやはや、向こうの趣味はダイナミックですね(笑)。

自前のクーラーボックスの方もいましたが、とにかくこの白い箱が多い。竿を自分で持っている人など、ごくわずかでした。手ぶらで来て、手ぶらで帰れて、魚だけがしっかり現地で加工まで処理されて家まで持ち帰る。なるほど、よくできた仕組みです。いつか体験してみたいと思いました。

アンカレッジ空港の探検、飛行機や人間ウォッチングを乗り越え、ついにASMIさんが手配してくださったチャーター機の準備が整い、搭乗手続きをすることになりました。


パスポートは普通に渡したのに、次に言われたのは、まさかの「荷物ごと体重計に乗ってください」。私の体重68キロに、あの重たいスーツケースまで加わるのです。数字がぐんぐん積み上がるのを見て、ますます不安になってきました…。

過去にもこういう経験はありますが、いざとなると、やはり落ち着きません。何しろ、これから乗るのは小さな飛行機。人も荷物も、まとめて重さを量られるわけです。


ドキドキしながら歩いていくと、さっきまで見ていたのとは、また違う機体。少し安心したのも束の間、近づくほどに不安が増します。古いし、まるで軍用機のよう。座席は錆び、シートベルトの意味もよく分からず、天井も床も窓もキレイとは言えない。機内に入った瞬間、ふわりと燃料の匂い。

そこへ、若くてラフな格好のパイロットが登場。「マジで大丈夫か…これで3時間も飛ぶのか…」。もう、覚悟を決めるしかありません。

乗り物好きの私でさえ、本気でビビった飛行機でした(笑)。よく揺れる。窓は汚れて、外の景色などまるで撮れません。そんな中、なんとか「写真らしい写真」が撮れたのは、この一枚きり。汚れた窓の向こうに、雲をまとったアリューシャンの島が、静かに浮かんでいました。

そして、なんとか無事に到着したときには、心底ホッとしました。「WELCOME TO UNALASKA」「#1 FISHING PORT IN THE NATION(全米一の水産港)」の看板が、目に沁みます。

しかも、現地スタッフの方が、我々の到着をわざわざ動画で撮影して迎えてくださっていたのです。その様子がこちらです。滑走路わきの壊れた飛行機にはビビりました(笑)。

さて、ここで終わらないのが、この旅の面白いところ。

やっとの思いでダッチハーバーに着いてみたら、そこになんと、あの有名な「魚屋の森さん」がいるではありませんか! これには本当にビックリしました。聞けば、我々が乗ってきたその飛行機で、これからアンカレッジへ向かうとのこと。つまり、私たちがアンカレッジで足止めを食らっている間、森さんのチームはダッチハーバーで足止めを食らっていた。一機の飛行機を挟んで、私たちはちょうど入れ違いになっていたのです。

しかも、です。私たちがこの旅に参加したのは、日本かまぼこ協会とASMIさんの共同アンバサダープログラム。そして森さんも、ASMIさんのスペシャルアンバサダー。つまりお互い、同じアラスカシーフードのアンバサダー同士だったのです。こんな最果ての地で、こんな業界の有名人とお会いするとは…本当にビックリしました!

「魚屋の森さん」こと森朝奈さん。名古屋の鮮魚卸「寿商店」の常務取締役でありながら、YouTubeで魚の魅力を発信し続ける、水産界きっての人気YouTuberです。こんなご縁、めったにありません。ということで番外編でした。

・YouTube「魚屋の森さん」:https://www.youtube.com/@sakanayanomori
・魚屋の台所 寿商店:https://s-kotobuki.co.jp/

この鷲の写真はアンカレッジ空港の白頭鷲の剥製。

大きな熊の剥製が幅を利かせる空港の片隅に、ちょこんと佇んでいた白頭鷲。この時は「アメリカの国鳥だなぁ」くらいの気持ちで撮ったのですが…まさかこの後、ダッチハーバーで本物が普通に飛んでいる姿を見ることになるとは、夢にも思いませんでした(笑)。

この写真はアンカレッジ空港のトイレで見かけたシール。

空港のトイレで、ふと目にとまったシール。「ARE YOU SAFE?(あなたは安全ですか?)」。最初は何のことかと思いましたが、危険な目に遭っている人が、こっそり助けを求めるための案内でした。旅のドタバタの中で、ふと、アメリカの別の顔を見た気がして妙に印象に残りました。

そうそう。あまりに待ち時間が長かったので、スタバでアラスカ限定のマグカップまで買ってしまいました。お値段17.95ドル。裏を返すと、しっかり「MADE IN CHINA」。アラスカ限定なのに(笑)。まあ、世界は繋がっている、ということで。

というわけで、番外編第一弾は、アンカレッジでの足止めと、命がけ(?)の空の旅のお話でした。本編には到底書ききれなかった、こんな珍道中があったのです。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。