河内屋社長ブログ蒲鉾丹右衛門の徒然なるままに…

2015.07.22

かまぼこ900年記念!再現料理イベントに参加しました!

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 かまぼこの歴史を紐解くと、その起源は諸説色々とあるようですが、蒲鉾が歴史上文献に初めて登場したのは間違いなく900年前の7月21日という事で、この記念すべき日に合わせて蒲鉾業界では、900年前のかまぼこをそのまま再現して過去を振り返ろう!そして未来のかまぼこに思いをはせよう!という「かまぼこ900年記念 再現料理イベント」が京都で開催されました。
 忙しかったので参加しようかどうか迷ったのですが、珍しい記念イベントだったので、ちょっと無理して参加して来ました。
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 蒲鉾が登場した文献と言うのは、平安時代に発行された「類聚雑要抄(るいじょうぞうようしょう)」という古文書なのですが、その中に時の関白右大臣の新任による引越の祝宴料理膳が描かれていて、その中に「蒲鉾」というメニューがしっかり描かれているのです。その文献に描かれた祝宴料理膳が会場には再現されていました。それが上の写真です。当時の蒲鉾は言ってみれば竹輪のようなイメージです。
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 右が再現した900年前の蒲鉾、左は現在の竹輪です。今回の再現に使用した魚はスズキだそうで、水さらしを一切しないで、採った身をそのまま擂り潰して作ったものです。生臭いかな?とも思ったのですが、塩味が効いて魚本来の味をダイレクトに感じました。現代の蒲鉾のようなきめ細かい舌触りは無いものの、噛み応えのあるしっかりした食感で、若干塩加減が強く感じましたが意外なほど普通に美味しく食べる事が出来ました。逆に今の竹輪に物足りなさを感じてしまいましたね。蒲鉾も900年間の間に色々と時代に合わせて変化して来た事が分かります。
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 さて、当日の会場は京都の老舗料亭「京料理 木乃婦」さん。昔、青年会議所時代に一度来たことがありますが、お膳がこれだけ並ぶと結構迫力ありますよね。再現料理を食べる前は鈴木たね子先生の講演と門上武司先生の講演があり、どちらも聞き応えのある内容でした。日本は食が文化の範ちゅうに入っていない、しかし世界では食は文化として認められている。だから世界で和食が認められたという話はなるほどと思いました。
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 再現料理イベントは蒲鉾業界や来賓、関係者合わせて総勢80名くらいでしたが、マスコミの皆さんも凄くてテレビカメラや新聞記者、かなり取材していました。蒲鉾がこれだけ注目される事が普段あまり無いので良かったです。翌日の新聞には地元の北日本新聞にも掲載されていたのでちょっとビックリしました。
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 ご来賓の方への再現料理の配膳には、ミス着物の3人の女性が、さながら900年前と同様に?十二単姿で配膳してくれて、会場は平安時代にタイムスリップしたかのような演出でした。見ている側とすればとっても歩きにくそうで転ぶのではないかと少しヒヤヒヤしましたけどね。
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 今回は貴重なイベントに参加出来て良かったです。改めて歴史と伝統ある業界に生きているんだと実感しました。我々はもっと蒲鉾に誇りと自信を持って仕事をしていかないとダメですよね!次の世代にしっかり引き継いでいける蒲鉾を作って行きたいものです。
 このイベントを影で支えて頂いた関係者の皆さんに感謝します。ありがとうございました!
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 せっかくなので十二単を着て頑張ってくれたミス着物の写真を載せておきます。