2026.05.16
蒲鉾がスーパーの棚から消える危機!霞が関で業界の声を届けて来た。

イラン情勢が蒲鉾業界を直撃しています。
中東の緊張が高まるたびに原油価格が動く。そのたびに燃料費が上がり、梱包資材が上がり、ナフサ価格が跳ね上がる。こうした動きが日本のあらゆる業種に影響を与えているのは皆さんもご想像の通りだと思います。
以前からこのブログで書いてきましたが、蒲鉾業界への影響は本当に深刻です。
そしてこの業界には、他業種にはない特有の問題が今、急速に浮上してきています。
それが「冷凍すり身原料の供給不安」です。
蒲鉾の主原料は魚です。昔は蒲鉾屋の前に広がる海で獲れた魚を使用していました。しかし今はほとんどが海外で獲れた魚。それを加工して冷凍すり身の状態で輸入しているのです。東南アジアやインドをはじめ、ベーリング海など世界各地からの輸入に依存しています。今回の中東情勢の影響は東南アジア・インド産の調達ルートに直撃し、原料魚種の変更や調達先の切り替えが必要になる可能性が急速に高まっています。一方、比較的安定しているベーリング海産は、資源状況やすり身よりフィレ生産優先などによる需給逼迫も重なり価格が大高騰。どちらに頼っても厳しい、という状況なんです。
問題はここからです。
原材料や原産地の表示は、食品表示法のルールで厳格に定められています。原料が変われば包材の表示も変えなければならない。しかし包材の改版や表示の切り替えには、相応の時間とコストがかかります。しかもナフサ問題でフィルムなどの包材もいつ作れるのか分からない状況。つまり従来通りの手続きを踏んでいては、最悪の場合、商品の供給継続に支障を来す可能性があるということなんです。「蒲鉾がスーパーの棚から消えてしまう」という事態が、絵空事ではなくなってきているということです。さらに言うと表示以前に原料そのもの、つまり冷凍すり身そのものが日本に入って来ないという現実が近づきつつあるということなのです。
先日、日本かまぼこ協会の阿部会長に同行させていただき、霞が関の消費者庁を訪問してきました。会議室には消費者庁の担当者に加え、水産庁、農林水産省の実務を担う皆さまが勢ぞろい。業界団体として真剣に向き合っていただける場を設けてもらったことは、本当にありがたかったです。

私たちが訴えた趣旨は次の通り。
「水産練り製品における原材料表示に関して、コロナ禍において消費者庁が実施したような弾力的な運用と同様に、今回の危機的状況においても、供給継続の観点から一定期間・一定条件下における限定的な通知等による弾力的運用をご検討いただきたい」
ルールが厳格に決められていることは、私たちも十分に分かっています。食の安全・安心に関わる表示のルールを軽くみているわけでは、もちろんありません。ただ、だからこそ現場の実情を知っていただくことがまず第一歩。動いてもらうために、まず知ってもらう。そのための訪問でした。
各省庁の皆さまは真剣に耳を傾けてくださいました。すぐに何かが変わるとは思っていません。でも、こうして声を届け続けることに意味があると思います。
イラン情勢に端を発する今回の危機、蒲鉾業界は今まさに大激震の中にいます。今後さらに大きな影響が出てくることも十分に予想されます。
業界全体で連携しながら、情報を共有しながら、できることを一つひとつやっていくしかない。河内屋としても、この難局から目を背けず、お客様に美味しい蒲鉾を届け続けることへの責任を果たしていきたいと思います。
霞が関を後にしながら、そんなことを改めて強く感じた一日でした。
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好評の「棒Sの履歴書シリーズ」の更新も少しお待ちください。


