河内屋社長ブログ蒲鉾丹右衛門の徒然なるままに…

2026.08.17

ウェストワード社のアリエスカ工場。ラッコに迎えられ、たどり着いた作戦司令部。

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早朝のオーシャン・ローバー号の視察を終え、次に向かったのは、ウェストワード社(Westward Seafoods, Inc.)のアリエスカ(ALYESKA)工場です。ウェストワード社は、Umios社の完全子会社でもあります。

実は私、このアリエスカという名前には、特別な懐かしさがありました。というのも、河内屋では過去に、アリエスカ社のすり身を使わせていただいていた時期があるからです。正確に言えば、当時はまだ合併前でしたので「アリエスカ社」でしたが、今はウェストワード社に吸収合併され、「ウェストワード社のアリエスカ工場」となっています。会社の形は変われど、アリエスカというブランドが今も残っていることが、なんとも感慨深く感じられました。

工場を視察する前に、まずはアリエスカ工場についての詳しいプレゼンテーションを受けました。これがとても分かりやすく、これから見るものへの期待が高まります。

さて、いよいよ工場へ、というそのときです。工場の真ん前の入り江に、なんとラッコが数匹、のんびりと泳いでいるではありませんか。思わず見入ってしまいました…写真を撮りたかったのですが、それが叶わなかったのが、なんとも心残りです(笑)。

工場の中では、スケソウダラの搬入・受入れから、フィレ製造、すり身製造、そして出荷まで、一連の流れをしっかりと見せていただきました。

正直に言えば、製造工程そのものは、ここまでユニシー社さん、エクセレンス号、オーシャン・ローバー号と見てきましたので、もう目が慣れてきて、大きな驚きは少なくなってきました(笑)。それでも、母船や工船とは違い、陸上工場ならではの、スケソウダラの搬入・受入れから最後の出荷までを、リアルな現場として一気通貫で見られるのは、やはり迫力があります。フィレ製造に、いかに人手と手間暇がかかっているか。それも改めて実感しました。

ここでは、フィレをブロックごと凍結するBQFだけでなく、一枚一枚をバラで急速凍結するIQFフィレのラインも見ることができました。同じフィレでも、ブロックとバラ。おそらく、世界中の多様なニーズに、それぞれ応えているのでしょう。

そして、今回の視察で私が一番驚いたのが、この後に案内された、ある部屋でした。

それは、キャッチャーボートに指示を出す、いわば「作戦司令部」のようなルームだったのです。

(↑↑写真:ウェストワード社提供)

大きなモニターには、ベーリング海が映し出されています。そこには三角の印がいくつも表示されていて、アリエスカ所属の漁船が今どこにいるのか、ひと目で分かる仕組みになっていました。場合によっては、「どの海域へ獲りに行け」という指示も、ここから出すのだそうです。

肝心なのは、工場が魚を受け入れるタイミングだと言います。全部の船が一気に工場へ押し寄せてしまっては、困る。待ち時間の長くなった魚は、その分どうしても品質が落ちてしまうからです。ですから、常に新鮮なスケソウダラを工場に入れるために、網を入れる時間の指示を出したり、工場へ入荷する時間まで指示を出したりしているというのです。

つまり陸上工場は、原魚の鮮度を保つために、所属する漁船とチームを組んで漁をしている。漁師さんが勝手に網を入れて、無計画にただ工場へ引き取ってもらう、という訳では決してないのです。

そして、この一切を仕切っているのが、一人の女性でした。


(↑↑写真:ウェストワード社提供)

画面には、ベーリング海の細かな領域や、漁が規制されている区域なども、実に細かく映し出されていました。その画面を眺めていて、私はふと気づきました。漁が禁止されているギリギリのところで、一隻の船が活動していたのです。ゴールデン・アラスカ号(Golden Alaska)。

かつて、この船が製造していた最上グレードのSAを、河内屋で使わせていただいていた時期があったのです。

ゴールデン・アラスカ号は今はフィレを中心に製造し、その他にもスリミ(2番肉のみ)、ミンス落とし身、スケコ、フィッシュミールを製造している母船です。思いがけない場所で旧知の船に再会したようで、なんだか胸が熱くなりました。

こんなリアルな仕事の現場を見学できたのは、本当に良い経験となりました。

視察が一通り終わると、アリエスカ工場の食堂で、ランチをいただきました。

これが、正直に言って、とても美味しかった! こんな最果ての地(この表現失礼ですが笑)で働いてくれる人を確保するために、ウェストワード社、そしてUmios社が、こうした部分にもしっかりと対応している。その地道な活動の一端を、一皿のランチから理解することができた気がしました。

年季の入った「ALYESKA SEAFOODS INC.」の看板。おそらく合併前から掲げられているもの。会社の形は変われど、この名が残っていることが嬉しい。

下の写真はせっかくなのでラッコの姿を紹介したくてウェストワード社に提供していただきました。ご配慮ありがとうございます。

ラッコが身近に普通に見ることが出来る自然環境!本当に素晴らしい環境です。