河内屋社長ブログ蒲鉾丹右衛門の徒然なるままに…

2026.08.16

工船「オーシャン・ローバー号」へ乗り込んだ!まるで宇宙戦艦ヤマトだった!

  • twitter
  • LINEで送る

ダッチハーバー2日目。この日は早朝からのスタートです。

アメリカン・シーフーズ社の「オーシャン・ローバー号(OCEAN ROVER)」が着岸し、荷下ろしをしているというので、朝一番で訪問させていただきました。

このオーシャン・ローバー号は「工船」です。前回ご紹介したエクセレンス号は、キャッチャーボートから魚を受け入れて加工する「母船」でしたが、工船は自ら漁をして、そのまま船内で加工まで行う船。同じ洋上加工でも、種類が違います。

そして、私にとってこの船は特別でした。というのも、河内屋では過去に、このオーシャン・ローバー号が製造したSAを、何度も使わせていただいてきたからです。自分たちが日々向き合ってきた原料を生み出す、まさにその現場。個人的に、非常に強い興味を持って臨みました。

オーシャン・ローバー号は、アメリカン・シーフーズ社が所有する工船の中では、いちばん小さいサイズだと聞いていました。ところが、実際に目の前にすると、その大きさと迫力に圧倒されましたね。早朝、凪いだダッチハーバーの海に浮かぶその船体は、なんとカッコいいことか。もう、外観を見ることができただけで感動でした。

船に着くと、ちょうど船内で製造した冷凍すり身を、勢いよくコンベアで降ろしているところでした。20kgの、あの見慣れた箱です。

注目すべきは、船が着岸する岸壁の目の前に、アメリカン・シーフーズ社の冷凍庫がそびえていること。降ろした冷凍すり身を、すぐさま効率よく冷凍庫へ運べる環境になっているのです。岸壁の前に冷凍庫があるのか、冷凍庫の前に岸壁があるのか…規模が大き過ぎて、もうよく分かりません(笑)。

その巨大な冷凍庫は、また後で見学させていただくことにして、相変わらずタイトなスケジュールですから、早速、船内を案内していただきました。

船内の様子は、前回エクセレンス号でも見せていただいたので、大きな驚きは……と思いきや、オーシャン・ローバー号のデッキ内も、これがまた凄かった。

分かりやすく言うと、宇宙戦艦ヤマトです(笑)。

レーダーや魚群探知機は、なんとなく分かります。しかし、それ以外のIT武装が、もう凄いのひとこと。

デッキでは、ありがたいことにキャプテン(船長)から直接お話を聞くこともできました。今はアリューシャン列島の北西あたりで操業していて、一度の航海はおよそ14日間。それを繰り返しながら、Bシーズンが終わればオレゴン州沖へ移動してヘイク漁に切り替え、年間では全季節あわせておよそ12〜13回もの航海を重ねるのだといいます。漁に出られる回数も総漁獲量も、会社ごとに定められた固定の割当(クオータ)で決まっていて、その割当量は、科学者による資源量(バイオマス)の評価に基づいて毎年見直される。持続可能な漁を守るための、実にシビアな仕組みです。

一度の航海に相当な経費がかかり、そして魚を獲らなければ、船内の工場も稼働しない。獲りすぎは許されず、しかし獲らなければ立ち行かない。その狭い道を、この巨大な洋上工場を率いて進んでいく…キャプテンにかかるプレッシャーは、相当なものだろうと想像できました。デッキから見下ろす、網が上がってくる甲板も、大変な迫力です。

そのほか、ワーカーの皆さんの食堂や個室、更衣室など、洋上での生活がうかがえる生の現場も見ることができました。事務所らしいオフィスもあり、ここはまさに、洋上の工場であり、事務所であり、そして生活の場でもある。……正直に言えば、私ももう少し若ければ、1航海くらい乗船してみたい、そんな思いに駆られました(笑)。

母船のエクセレンス号と同じく、工船のオーシャン・ローバー号も、着岸しているときは、ここでしかできない作業に追われている様子でした。荷下ろしという洋上の成果物を降ろす達成感と、次の航海へ備えた準備の積み込みとが交錯していて、シーズン最中の緊張感を十分に感じます。それでいて、着岸は束の間の休息の時間でもあるのでしょう。ワーカーの皆さんの、どこか落ち着いた、ホッとした表情が、何とも印象的でした。

ここで、スケソウダラの漁期について少し。

スケソウダラ漁には、AシーズンとBシーズンがあります。Aシーズンは1月20日から6月10日まで(漁獲枠の配分は45%)、Bシーズンは6月10日から11月1日まで(同55%)。私たちが訪れたのは、ちょうどBシーズンの序盤にあたる時期でした。

そのためこの時期は、まだ本格的にすり身を製造している段階ではありませんでした。魚体のサイズがこれから大きくなっていくということもありますし、加えて、需要の高いフィレの製造を優先するという思惑もあるのだろうと思います。

だからこそ、私は祈るような気持ちでした。Bシーズンの後半戦に向けて、どうか魚体のサイズが上がり、そして上級グレードのすり身がたくさん製造されますように…そんな願いを胸に、オーシャン・ローバー号を後にしたのでした。

船内の加工設備が非常に綺麗だと感じたことに対して、エクセレンス号もオーシャン・ローバー号も船体の外観は、ベーリング海での戦いを感じさせる錆や傷が多くあった。荒波や強烈な風雪に耐えてベーリング海で漁をするということの過酷さを感じる。

デッキから網を引き揚げる甲板を見下ろす。洋上で実際に引き上げるところは迫力あるのだろうな…と想像する。

食堂のビュッフェは美味しそうでした。ドリンクバーも充実していてアメリカン・シーフーズ社が乗組員のためにしっかり環境作りをしているということが伝わって来た。

事務所はまるでビジネス街の部屋のよう。洋上とは思えない!

厳しい環境の甲板で作業するためのカッパ。ディスカバリーチャンネルの映像を思い出してしまった。

船内のいたるところに火災に対する安全計画が張り出されていた。

作業者の個室。2人で1部屋とのこと。手前は共同スペース。個室では常に一人で寝れるように作業班が違うらしい。トイレ環境も普通に綺麗でした。

船内では女性も活躍していた。貴重な休憩中なのに笑顔で対応してくれて本当に感謝。彼女の笑顔を見て無事の航海を祈って船を降りました。