河内屋社長ブログ蒲鉾丹右衛門の徒然なるままに…

2026.08.10

ダッチハーバーに到着早々、ユニシー社の工場へ!ベーリング海のスケソウダラと、その現場に圧倒された!

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長い長い道のりの末、ついにアメリカ合衆国アラスカ州ウナラスカ、アマクナック島にあるダッチハーバーへ上陸しました。

上陸に大変な時間がかかったことは、これまでのブログに書いてきた通りです。ようやく着いた、という達成感を噛みしめる間もなく、私たちは早速ユニシー社(UniSea, Inc.)へと向かいました。

ユニシー社は、株式会社ニッスイさんの子会社です。スケソウダラ、マダラ、カニといった水産資源の調達から、フィレやすり身などの加工・供給までを手がける、ダッチハーバーの水産加工を担う主要企業の一つです。

今回、一緒に参加させていただいたのは、全国蒲鉾品評会でアメリカ大使館アラスカシーフード賞を受賞した歴代の受賞社の皆さん。株式会社スギヨさん(2024年受賞・石川県)、生地蒲鉾有限会社さん(2025年受賞・富山県)、伏見蒲鉾株式会社さん(2026年受賞・新潟県)、そして私たち河内屋(2023年受賞・富山県)。全国に数多くの蒲鉾屋さんがある中で、受賞したのが富山・石川・新潟という日本海側に並んだのは、やはり歴史的にスケソウダラを中心に使ってきた地域だからなのだと思います…。

けして良いとは言えない海沿いの道を走ってユニシー社に到着すると、工場の目の前には、スケソウダラ漁を終えて新鮮な魚を運んできたキャッチャーボートがずらりと並んでいました。網に残った魚をついばむ白頭鷲、港や船にはためく星条旗…。まさに「アラスカに来たのだ」という空気を全身で感じながら、まずは会議室へ。工場を視察する上での細かなブリーフィングを受け、いざ視察へ!

工場に入って、最初に目に飛び込んできたのは、ピカピカに光る大量のスケソウダラでした。

しかも、日本で聞いたり報道されたりしているより、型が大きい。1尾800g~900gほどもある立派なスケソウダラの迫力に、私はまず圧倒されました。

ただ、大きいと思うと同時に、300gに満たないような小さなものも混じっている印象でした。この小さなものは魚粉(フィッシュミール)に回されるとのこと。魚粉の価格も高騰している昨今ですから、それはそれで理解できる、というのが正直なところです。

驚いたのは、その一尾一尾に対する管理の厳しさでした。魚は1ロットずつ計量され、その中に混獲(対象以外の魚)がないか、厳しくチェックされていました。しかも、そのチェックをしているのは会社の社員ではなく、州政府に雇われた人だというのです。業界新聞でその存在は知っていましたが、持続可能な漁を守るために、ここまで徹底して管理している実態を、私は初めてこの目で見ました。

魚は、800g以上の良い型のものはフィレに、中間のものはすり身に、そして300g以下のものは魚粉にと、サイズによって用途が振り分けられていきます。

フィレの工程は、魚体の選別、洗浄、頭と内臓を落とし、三枚におろし、皮を引いて…と進んでいきます。

正直に告白すると、私はこれまで「フィレを作るのは、すり身を作るよりも簡単なのだろう」という認識を持っていました。しかし、今回の視察でその認識は覆されました。

とりわけ驚いたのが、フィレの最終検品です。相当な人数、そして手仕事。何よりも、連続の労働時間でした。魚が1ロット入ってきたら、休みなしのキツイ立ちっぱなしの労働。目視で、手先で、指先に神経を集中させて一枚一枚を見ていく検品作業…。かなり過酷な労働であることが、現場に立って初めて理解できました。

今回の視察ではどこの工場も、フィレ製造に本当にたくさんの人の手をかけ、大変な思いをして品質の良いフィレを作り上げているのです。

ベーリング海のスケソウダラのフィレ製造風景を目にするのは、もちろん初めてです。業界新聞ではサラッと文字で書かれてしまう「フィレ製造」という言葉の裏で、現場がこれほどの現実と戦っているのか…。衝撃、というより、感動に近い気持ちでした。

欧米のフィレ需要が非常に強い、という状況は私も理解しています。それでも内心では、「どうか、すり身もたくさん作ってください」と祈るような気持ちで、視察を続けていました(笑)。

工場内には、GLSの箱も見かけました。以前使わせていただいていた時期もあったので、思わず懐かしくなりました。

なお、工場内は基本的に撮影禁止です。このブログに載せている写真は、撮影してよいと許可をいただいたものだけです。それだけ厳格な現場だということも、あわせてお伝えしておきます。

質疑応答では、ユニシーの皆さん、とりわけニッスイさんから出向されている日本人スタッフの皆さんに、本当に手厚く対応していただきました。心から感謝しています。ありがとうございました。

駆け足の視察ではありましたが、私にとっては、本当に感動的な体験でした。

フィレを作るにせよ、すり身を作るにせよ、卵を取るにせよ…原魚の鮮度、そしてその取り扱いが、最終製品の品質を大きく左右します。その一点に対して、陸上工場ならではの効率や努力を最大限に尽くしていること。現地の衛生管理も含めて、そのことを十分に感じ取ることができた視察でした。

最果ての地に星条旗が揺れている。

混獲された真鱈やカレイ。

とにかくサイズが大きくて迫力がある!