2026.08.13
ベーリング海の港町・ダッチハーバー。木造船ニルヴァーナと、タラバガニと、眠れない白夜と。

今回は少し視察の話から離れて、ダッチハーバーの港町の様子について書きたいと思います。
エクセレンス号での視察を終えた帰り道、キャプテンズ・ベイ・ロード(Captains Bay Road)を進んでいくと、ユニシー社方面へ向かう橋へ曲がる角のところで、一隻の古い木造船が目に留まりました。下調べで理解はしていたのですが、いきなり出て来たのでこれか…と内心思っていました。
「F/V Nirvana(ニルヴァーナ)」という船。
この船は、ダッチハーバーエリアに残る「最後の大型木造漁船の一つ」と言われているのだそうで、かつての過酷なベーリング海での漁業の歴史を物語る、象徴的な存在なのだといいます。長年、ベーリング海の厳しい商業漁業に従事したのち、今はキャプテンズ湾の浅瀬に、静かにその船体を横たえている。地元では有名なランドマークであり、写真撮影のスポットとしても知られているようです。
本当は車を降りて、じっくり見学して写真も撮りたかったのですが、なにせ団体行動、タイトなスケジュールです。後ろ髪を引かれながら、車窓からこっそりと一枚だけ撮影しました(笑)。

さて、その夜は、ユニシー社の皆さん、ASMIの皆さん、そして私たち4人での食事会を開催していただきました。
場所は、ユニシー社さんが経営する「Harbor View Bar & Grill」というお店。同じ施設の中には「Harbor Sushi」というお寿司屋さんもあり、現地に住んでいる方や、私たちのような旅人の、憩いの場になっている様子でした。
お店の裏手には、小型ボート用の桟橋があり、これがまたなかなか良い雰囲気なのです。「このエリアで、のんびり釣りができたら幸せだろうな…」と釣り好きの性で、そんなことを思わず考えながら、皆さんと本当に楽しい時間を過ごすことが出来ました。
そして、忘れてはいけないのがこの土地の味です。
まずはビール。「アラスカン・アンバー(Alaskan Amber)」で乾杯。長い一日の疲れに沁みわたりました。

そして、アラスカ産のタラバガニ。これがとにかく、ジューシーで美味しかった。何故か寿司桶に入ってた笑。
聞けば、今はロシア産のカニが米国本土には入ってこない状況なのだそうです。世界情勢を思えば、無理もないことなのかもしれません。そうした中で、アラスカ産のタラバガニは厳格に漁が管理されていて、そのほとんどがアメリカ国内で消費されるため、日本にはごく少量しか入ってこないのだといいます。そんな貴重なものを、産地のこの地で味わうことができたのは、本当にありがたいことでした。
とにかく飲みながら、食事しながら現地で働く皆さんと色々とリアルなことが話せて本当に良かったです。家族のこと、学校のこと、物価のこと、もちろん仕事のこと、趣味のこと、買い物事情、寒さのこと…この地で生活をするということがどういうことなのか理解できました。出会えた皆さんに本当に感謝。
楽しい夕食会もお開きとなり、私たちはようやくホテルへ。そう、この日、初めてのチェックインです(笑)。
泊まったのは「Grand Aleutian Hotel」。こちらも、どうやらユニシー社さんが経営されているようでした。
私の部屋は、ベイサイドルーム。窓からは、海へと繋がる入り江を望むことができました。
ただし…とにかく白夜なのです。時刻は23時頃だというのに、外はまだこの明るさ。時差の影響もあってか、相変わらずなかなか寝付けない日が続くのでした。

アラスカ州、州都であるジュノーにあるアラスカン醸造所(Alaskan Brewing Company)の、看板ともいえるビール。なんでも、1900年代初頭のレシピを元に造られているのだとか。キャラメルやトフィーを思わせる豊かな風味と、すっきりとした飲み口。ラベルデザインが何とも言えず良い感じ。

「Harbor View Bar & Grill」はドアを入った瞬間、ビリヤードを楽しんでいる人がいたり、カウンターで飲んでいる人がいたり映画のトップガンに出て来るような雰囲気。


お隣の「Harbor Sushi」には、いか、たこ、うに…など日本語のネタ木札がありました。タラバガニが寿司桶に入ってたのも分かる笑。

私の部屋は312号室。キー袋には世界中の「ようこそ」。最果てのようで、ここは世界とつながっていた。



